「支援」の先に辿り着いた、自ら舵を握る日。
カーボンクレジットで「環境を経済に変える」、
バイウィルCFOの挑戦。
【株式会社バイウィル 会社概要】
「ずっと愛される日本を。意志の力で。」というパーパスを掲げ、カーボンクレジットの創出・流通・活用を一気通貫で支援するクライメート・アセット・デベロッパー。
日本全国の環境価値を最大化し、脱炭素と地域経済活性化の両立を目指しています。
◆この記事のまとめ
【CFO・松﨑様のキャリア】数千社のIPO支援を経て辿り着いた、松﨑様の“熱中できる場所”
メガバンク・証券会社でキャリアを積んできた松﨑様が、なぜ「外からの支援」ではなく「スタートアップの内側からの実行」を選んだのか、そのキャリアの決断に迫ります。
【バイウィルの事業戦略】GXを『やるべきこと』から『やりたくなること』へ
環境領域を「義務」から「投資・成長領域」へ。
環境価値を経済価値に変え、企業の資産価値を向上させる「クライメート・アセット・デベロッパー」としての独自戦略。
社会貢献と経済成長を掛け合わせ、業界の牽引役を目指すバイウィルの今とこれからを語ります。
【独自の組織・キャリア論】「人材の市場価値」を再定義し、未来を創る挑戦へ
独自の仕組みに基づく組織運営が支える高い社員の熱量と、松﨑様が語る「ポテンシャルまで含めた人材市場価値」の本質。
3年後、5年後の自分を描くためのキャリアのヒントを探ります。

「熱中できる場所に身を置く」経営支援の手応えが、自ら「やりたい」に変わった瞬間。
―まずは、これまでのご自身のキャリアと、スタートアップへ参画を決めた経緯をお聞かせください。
私はファーストキャリアとして三井住友銀行に入り、その後、日興証券でIPO支援に従事し、そしてスタートアップの世界へ飛び込んできました。
銀行や証券会社にいた頃は、お客様の経営課題を解決するために融資やIPO支援を行うことが主な仕事でした。会社規模も違う、業界も業種も様々なお客様の短期的・中期的・長期的な経営課題に対して自社で提供することが可能なあらゆるソリューションを模索し、提案するということは、自身がお客様に対して提供する価値の自由度が非常に高く、大変やりがいのある仕事でした。
ただこれは、『間接的なご支援』という立場なんですよね。お客様の経営戦略や「これをやりたい」に対して、必要なソリューションを提供し、成長資金を融資する。
その後の成長や実行していく様子も含めて伴走するという立場です。ただ結局最後に実行するのはお客様です。どうしてもこの「間接的にご支援をする」という立場からは離れられない。
そうこうしているうちに、銀行・証券時代を通じて、ベンチャーから一部上場企業まで千社以上の企業を担当し、そこで働く経営陣やその他の従業員の方々と話をすると、徐々に「自分も実際にやってみたい」という思いが強くなってきたんです。
「自分がやったらどうなるんだろう」というところに興味を持ち始めたのが、スタートアップに行ったきっかけですね。
銀行員時代の私は単なる営業マンで、融資のことはわかりますがそれ以外は乏しかったです。なので、証券会社で資本市場の規律や仕組みを学べたこともとても大きな経験でした。その2つの経験があったからこそ、「ベンチャーに行く・自分自身が経営をやってみる」という選択肢ができたのだと思います。

―多くの経営者とお会いする中で、ターニングポイントになった出会いはありましたか?
ご支援を通じて実際に上場までたどり着いたあるベンチャー企業のCFOの方と現在の当社代表の下村の二人ですね。
彼ら二人から何の影響を受けたかというと、「自分の価値観に準じて、いま、自分が熱中できる場所に身を置く」という姿勢・こだわりです。自分が熱中できるところに身を置くのは、とても大事なことで、人間、興味がないことは頑張れないじゃないですか。
例えば、学生時代の勉強も、スポーツも、仕事だって同じだと思うんです。その瞬間瞬間は熱中していても、色々な経験をする中で「熱中できる対象」が徐々に変わっていったりする。まさにそこが自分の転職理由だったのかなと思います。そういう気づきを与えてくれたのが彼らでした。
「バイウィルへの参画」と「環境領域というマーケットの魅力」
―バイウィルに参画することを決めた、決定打は何だったのでしょうか。
大きく二つあります。一つは、代表の下村との縁です。
彼は不思議な人で、バイウィルの代表をやる前は独立して自分で会社を経営していました。「夢ある会社を勝手に応援する会社」というコンセプトで、本当にお金をもらわずに勝手に応援している会社様もあって(笑)、楽しそうに経営していました。
そんな彼とある日ご飯を食べる機会があり、突然、「社長をやる」と言い出したので、とても驚きました。
彼が本当に「代表」に就任してから半年ほど経った頃、彼から事業内容や成長戦略を聞き、『面白いから来てほしい』と誘われました。
下村とは5年ほど飲み友達のような関係でしたが、一緒に仕事をしたことはほとんどなく、この機会を逃したら彼と一緒に働く機会は二度とないような気がして、一緒に働いてみようと決心しました。
二つ目は、環境領域というマーケットの魅力です。
じつは私は前職までは環境領域は避けていました。なぜ避けていたかというと、いま当社が掲げている「GXを『やるべきこと』から『やりたくなること』へ」という世界観に通じるのですが、当時の私にとって『GX(グリーントランスフォーメーション)』は義務を課された人だけがやる「やるべきこと」だったからです。ただ、ほとんどの会社にとって義務ではないし、それだけでは排出量は減らない。一部の義務がある人たちだけのマーケットで、市場の成長性が小さいと感じて、興味を持てなかったんです。
しかし、下村から、カーボンクレジットの仕組みを聞いて、印象がガラリと変わりました。中堅・中小企業から大企業までを巻き込み、経済価値と環境価値を組み合わせることで、お金が入って儲かる人もいれば、CO2排出量の削減メリットを得られる人もいる、ビジネスとしてものすごくおもしろいなと思えたんです。しかも、まだ市場には圧倒的なトッププレイヤーがいない業界を牽引する存在になれる可能性もあると考えました。

科学的な「人材マッチング」と社内に浸透する「行動指針」
―御社は急成長を続けておられる中で、多くの多様な人材を採用されていますが、どのような人材を求めていますか?
当社は、大企業、ベンチャー、コンサル、公務員など、多種多様な業界出身の従業員がいる、けっこうめずらしい組織だと思います。なぜそうなったかというと、カーボンクレジットの領域は、そもそも世の中にとって新領域であり、この領域の専門家はすごく少ないんです。つまり、私も含めたいていの人が未経験からのスタートです。
このような環境で力を発揮できる人の特徴の1つは、未知のものに対する『好奇心』です。この業界は毎年制度が新しく施行されたり、ルールが変更されたり、非常に変化の激しい業界だと思います。既存社員ですら出会ったことのないものに出会うこともよくあります。新しいものに対して、素直な気持ちで向き合い、キャッチアップしていく源泉となる好奇心が重要です。
もうひとつ大事なのが、「泥臭いことを厭わない忍耐力や価値観」です。 ベンチャーは一見、先進的で華やかな業界に見えるかもしれませんが、実はすごく泥臭い仕事も多いです。その『泥臭さ』を理解してやっていけるかについては、かなり重視しています。
そのために、選考では、面接だけでなく適性検査も導入しました。この検査は、その人の「欲求」を20項目ほどパラメーター化して数値化するもので、「ロジカルに考えたい」か、「アイデアで勝負したい」か、「人間関係を重んじる」か、「せっかち」か、「細かく管理したい」か、等々がすべて数字で出ます。この定量的なデータと、既存社員の活躍状況を照らし合わせます。「この部署ではこういう欲求の人が活躍している」という傾向がわかるので、カルチャーフィットや配属をデータに基づいて判断しています。
面接官の評価にはどうしても主観が入りますから、そこに定量的な指標を入れる。その上で、最後に下村(代表)に会ってもらう。
人間の判断をできるだけフェアにするために、データに基づいて判断することを徹底しています。
―組織運営において大切にしていることはありますか?
私の持論は「ベンチャーのカルチャーに、大企業の仕組みを入れるとうまくいく」というものです。優れた仕組みを、熱量高く運用することを徹底できれば、大きな成果を生み出せます。
たとえば、人事制度については、多いと思いますが、四半期に1回の評価面談を行っていて、全員が部門長と細かく目標設定を詰めます。その中で、「上司が出してきた目標が合理的に無理だと思ったら、ちゃんと断ること」ということを伝えています。
部下と上司がしっかり合意した目標を設定し、それを振り返る。
合意した上での結果なら、達成・未達成の評価に納得感が生まれます。この熱量で人事制度を運用することが、「成果にこだわる」且つ「フラットな」組織をつくるポイントだと思っています。
また、当社には『イノベート』と『モラリティ』というふたつのバリューがあります。その中で代表の下村が大事にしているのが『モラリティ(道徳観)』です。イノベートはアップサイド(高みを目指すもの)ですが、モラリティは「人として守らなければいけないもの」です。
それがこの3つ。
1. 凡事徹底
2. 約束を守る
3. 他者と自分を貶めない
これらを徹底することで、組織が大きくなっても、派閥やネガティブな影響をできるだけ作らず、お互いの価値観を尊重しながら仕事ができる風土を作っています。
下村は「この3つを守っていれば、困ったときには必ず誰かが助けてくれる」と言います。この納得感のある言葉が浸透しているので、仕組みを入れた時もみんながちゃんと動くんです。

「自分の市場価値」を言語化し、環境ビジネスの「大義」と面白さに挑む
―今後の展望について教えてください
環境領域は、マーケットとして、絶対にやらなきゃいけないし、やりたくなる領域なので、先行きは明るいと思っています。その中で私たちは新たに『Climate Asset Developer』という言葉を作りました。今までは「間接的に価値を向上させるプレイヤー(仲介など)」でしたが、より直接的にCO2を吸収・削減できる資産(アセット)を世の中に増やし、価値を向上させるプレイヤーを目指します。
現在ある農家様と実証実験を行っています。
内容としては、省エネ設備を導入し、さらに、それによるCO2削減効果を「カーボンクレジット」として価値化・収益化することで、環境負荷の低減だけではなく農業経営の持続可能性を向上させる。
将来的には最新設備によるデータ管理で「作物の成長性と品質を担保(商品価値)」する。
その結果として、「圧倒的なCO2削減(環境貢献)」を達成する。
つまり、『市場性・商品価値・環境貢献』のすべてを分断させず、同時に、高い次元で成立させること。
これこそが、これまでの領域を超えて私たちが「クライメート・アセット」に深く踏み込む理由であり、デベロッパーとしての真骨頂です。こうした対象作物を広げていくことで、私たちの事業領域と社会への貢献度は、掛け算で大きくなっていくと確信しています。
―最後に、御社に興味を持つ候補者の方へ、メッセージをお願いします。
転職活動を始めようとすると、おそらく皆さん全員がご自身の「市場価値」がどれほどなのか、気になると思います。私自身、何度か転職をしてきた経験から申し上げると、正直なところ、自分の市場価値は、同じ会社で業務をしているだけではなかなか見えてこないものだと思います。
振り返って思うのは、『環境が変わっても発揮できる自身の強みや経験』が何なのか、これを言語化しておくことの大切さです。転職を考える際は、まず事前準備として自分の過去を棚卸ししてみてください。
どんな人生を歩み、どんな経験をして、それに対してどういう感情を抱いてきたのか。
その上で、今、向こう3年、5年、10年と時間を経て、『どういう自分になっていたいか』、そして『それはどんな環境なら実現できるのか』、それを整理することが、納得感のある転職活動に繋がります。
人材の市場価値とは『今できること』だけが価値ではありません。転職した後に身につけられるもの、成長して企業に貢献できるもの、つまりいわゆるポテンシャルも、相手に評価されるものであれば立派な市場価値になります。
バイウィルには、好奇心を持って泥臭く挑戦できる人、そして私たちの『大義』に共感してくれる人が、ポテンシャルを開花させ、輝いていけるフィールドがあります。
今、あなたが持っている武器と、これから手に入れたい未来。
その両方をぜひご自身の言葉で語りに来てください。この面白いマーケットを共に創っていける仲間を、心からお待ちしています。

左:株式会社バイウィル/松﨑様、右:株式会社FTヒューマンキャピタル/伊東


